桜は学術的には、バラ科モモ亜科サクラ属の落葉樹です。
日本人にはとてもなじみの深い、愛されている植物です。
今観賞用に植えられているのは、その多くがソメイヨシノです。
ソメイヨシノ
今最も多く植えられてるサクラです。
ソメイヨシノは、江戸時代に今の東京都豊島区あたりの
染井村の植木職人によって作られた品種と言われています。
エドヒガンとオオシマザクラを交配させたという説が
有力です。
初期の頃はヨシノザクラと呼んでいましたが、
奈良県吉野山のヤマアクラと混同されがちだったので、
藤野寄命によりソメイヨシノと名付けられました。
ソメイヨシノの寿命は約60年と言われていますが、
環境によっては、もっと長くなるともいわれています。
ソメイヨシノは3月の終わりから4月の初め頃に
葉の出る前に薄いピンク色の花が咲きます。
花弁は広楕円形で、上部に切れ込みがあり、
萼と柄には細毛が多くあります。
花は1週間程度でハラハラと散り、花吹雪が
見られ、その様が美しいともいわれています。
花が散った後、花が出てきます。
葉は、楕円形で長さは大体8cmぐらいで、
先はとがっています。
縁には鋸歯があり、裏面と葉柄には、細毛があります。
果実は、赤色から紫黒色に熟します。
サクランボです。
さくらは、突然変異が多い植物です。
ソメイヨシノも交配させて作られた品種で、
接ぎ木によって増やされてきました。
接ぎ木で増やすということは、みんな同じ遺伝子を持つ
いわゆるクローンだということです。
なので、一斉に咲き一斉に散ります。
その様は美しいのですが、
寿命も大体同じになってしまいます。
今公園などに植えられているサクラも
一斉に寿命を迎えることになってしまいます。
近い将来、お花見ができなくなってしまうかもしれません。
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サクラの生態
サクラは日本のほぼ全土で生育可能です。
様々な自然環境に合わせて多様な種類が生まれています。
ソメイヨシノの片親であるオオシマザクラは、
数百万年前から自生していたようです。
サクラの木は傷に弱く、傷がつくとそこから腐ってしまうことも
あります。
昔は選定後の消毒も難しかったので、そこから枯れてしまうことも多く、
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺もあります。
お花見の酔っ払いなどに枝を折られて、
そこから弱ってしまうこともあります。
特に人工的に作られたソメイヨシノなどは傷や病害虫にも
あまり強くはありません。
古木といわれる桜も多くあり、樹齢1000年を超えるものもあります。
日本人とさくら
桜は穀物の紙が宿るともいわれていて、農業にとり非常に
大切にされていました。
桜の開花時期は、農業の開始時期を示す指標とされていました。
各地に「田植え桜」「種まき桜」などと呼ばれている木がありました。
奈良時代では、中国文化の影響が強かったたため
和歌などで、花といえば梅を指していました。
万葉集においては、圧倒的に梅の歌が多く乗っています。
その後、平安時代になり、桜の人気が高まり
花といえば桜を指すようになってきました。
豊臣秀吉は醍醐寺に700本の桜を植え盛大な花見を
催したとされています。
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